- 高齢者の難聴
特別な耳の病気が無くても、人は加齢とともに、次第に聴力が落ちてきます。聴力のレベルは、音の大きさの単位であるデジベル < dB > で表されます。個人差はありますが、各年代ごとの聴力像は図1のように変化します。グラフの縦軸が聞こえの度合いを示しており、数字が大きい(=音の大きさが大きい)ほど聞こえが悪い事を意味します。
グラフの横軸が音の種類を表す周波数(単位:ヘルツ < Hz > )で、値が小さいと低音、値が大きいと高音になります。500Hzから2000Hzまでを会話音域(通常の会話で使用される音域)といい、500Hz、1000Hz、2000Hzの聴力レベルから計算して(図2)、その耳の「平均聴力レベル」を求めます。
一般的には、両耳の平均聴力レベルがともに40dBより悪くなると、日常生活に支障を来すことが多くなり、補聴器の適応になると考えられます。ちなみに、両耳の聴力レベルが70dB以上で身体障害6級と認定されます。
- 補聴器は専門医で調整を
聴力像は、個人により大きな差があります。よって、補聴器を購入する際には、どの周波数の音を良く聴こえるようにするかなど、「補聴器専門店」で使う人に合わせて細かく調整することが必要です。通信販売などで売られている”集音器”では、その調節ができません。
高齢者の場合は、言葉の聞き取りも悪くなるため、調整がより難しくなります。また、片耳だけでよいか、両耳装用にするかもよく検討する必要があります。
補聴器がその人にとって本当に有用かどうかを判断するには、最低2〜3週間の試聴が必要です。その結果、うるさいだけでいらないと断念する高齢者もけっこういらっしゃいます。いきなり購入を勧める店は、あまり信用できません。
- 補聴器の相談に応じています
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当医院は、平成16年に現在地に移転した際、補聴器専門店である秀電社(あかねが丘店)も一所に開店していただきました。耳鼻咽喉科医院と補聴器専門店が隣接しているのは、全国的にも珍しい例です。補聴器専門店と連携し、定期的な補聴器外来を設けることで、より的確に補聴器のご相談に対応できるように努めております。